トップ / 長良川紹介
 
 
 長良川は岐阜県内にある木曽川水系の一級河川です。郡上の大日ヶ岳に水源があり、下流で萎靡川などと合流し伊勢湾へと流れ出ています。愛知県も接しており、両県の県境としての役割も果たしています。
 川の上流はとても綺麗な水が流れており、アマゴやサツキマス、オオサンショウウオなどが生息し、釣り人にも人気があります。ラフティングや沢登などのレジャースポーツも行なわれています。中流では鮎が上ってきて長良川鵜飼が行なわれています。鵜飼の他にも花火や祭り、普段でも水遊びなどで人々に親しまれています。
  また、周辺の地下には伏流水があり、質の良い地下水として地域住民に用いられているようです。長良川は生き物にも地域住民にも鵜飼にも、なくてはならない存在なんですね。
 
 
 長良川は、長良川鵜飼の行われる場所としても有名ですが、柿田川・四万十川と並ぶ日本三大清流としても有名です。そして、非常に透明度が高く、水質が良いため、中流域は環境省によって『名水百選』に選ばれています。
  また、水浴場は、安全性・水質・環境・利便性の観点から総合的に見て相応しい河川として、『日本の水浴場55選』、『日本の水浴場88選』に選定され、国からの評価も高いです。このように、河川の水浴場として選ばれたのは、全国で唯一長良川だけです。これらのように、長良川は国からも安全性と信頼性が示されています。
  水だけでなく、川原も綺麗です。夏になると、家族連れなどのバーベキューや水遊びで賑わい、地域住民からもとても親しまれている川です。

 
       
 
 奥長良川の名水が、『奥長良川の秘水』というミネラルウォーターとして販売されています。長良川周辺にある宿泊施設の十八楼の温泉でも、冷たくて美味しい長良川の冷水を飲むことができます。
  また、長良川で捕れた鮎が美味しく食べられるのは鵜飼によるものだけでなく、長良川で育った鮎だからということです。長良川の水がきれいで冷たいことや、流れの速さや水量の他、全ての条件が鮎の美味しさを支えています。前項に述べたように、長良川周辺の地下には伏流水が流れており、地域住民が汲み上げて上水道にしたり、各自宅の井戸水として有効利用されています。
  そして、上流の水が特に綺麗で質が良いため、綺麗な水に棲む魚が多数生息しています。そのため、上流は釣りスポット、中流は水浴場としてたくさんの役目を果たしています。
 
 
 長良川は豊かな自然に恵まれていることもあり、数多くの生き物が棲んでいます。中でも、水中を棲みかとする生き物は長良川の清らかな水、自然によってつくりだされた宝物だと言えます。ここでは数ある生き物のうち、絶滅危惧種に選ばれている貴重な魚を数種類紹介します。今あるバランスのとれた環境を壊さないように、自然溢れる長良川を大切にしていきたいですね。
 
 
 清流と呼ばれる美しい川を保つために、平成10年にNPOボランティア団体が市民によって形成されました。長良川の環境を保つための清掃活動や、啓発運動などを行なっています。また、毎年「長良川を美しくしよう運動」が行なわれています。これは鵜飼開始前の4月、長良川花火大会が開催される8月、鵜飼終了後の10月の3回行なわれています。
 このように、毎年何千人もの人々が活動に参加しています。県内だけでなく、県外からも活動に参加している人がいます。長良川の美しい環境はこうした方たちの支えがあって保たれています。



 
これまでに述べたように、長良川は恵まれた環境と、地域住民の支えによって美しい現状を保っています。
美しい長良川によって、美しい鵜飼も成り立っています。
 
 
鵜飼が実際に行なわれている、長良川中流の水を観察してみました。
 ●触ってみる
       
石に少し苔がついています
アユの餌になります
川底は嫌なほどぬるぬるしていません
水の中がはっきりと見えます
手を入れてみると一目瞭然です
 

  川岸から長良川の中央を見ると、底に沈んでいる石がはっきりと見えました。長良川の水は濁っていることもなく、透明な水でした。両手を川岸から入れてみても、指の先まで肌の色がくっきりと見えました。底の石を触ると少しぬるぬるしていました。底の石には初め、茶色い苔のようなものが付いていて、手で触ると簡単に取れてしまいました。藻がぬるぬるの正体なのかと思い、藻が取れた後に再び石に触ると、それでも少しぬるぬるしていました。あまりいいイメージは無いかもしれませんが、アユの餌となって鵜飼に役立っています。ほんの少しだけなのでそこまで不快感を感じはしませんでした。
 
 
 ●見てみる
       
 
水を汲んでみます
川特有の匂い以外はしないようです
汲み上げても水は透明です
きれいに後ろの様子が見えます
 
 
 川岸から長良川の方を向いていましたが、臭いはしませんでした。そのため、不快に感じることはありませんでした。しかし、ペットボトルに水を汲んで鼻を近づけると、少し川特有のどろの臭いや生臭い臭いがしてきました。ペットボトルに入れた水を見てみると、川底の色とは違い、水道水と同じくらいの透明度があり、きれいでした。上流では、ろ過して飲めるという話にも納得です。蓋をして振ってみると、泡が立ってすぐに消えました。洗剤などの影響は受けていないようです。
 
 
 ●観察のまとめ
 

  実際に見てたり触ったりすることで、水の美しさを実感することが出来ました。ただきれいなだけでなく、鮎などの水の中の生き物にも過ごしやすい環境になっているようです。そのような点でも、長良川は鵜飼に適していることが分かりました。
  中流にもかかわらず、目立って川底にゴミが沈んでいることもありませんでした。水の見た目も透明で、質も汚染された感じがしないので、鵜飼で捕られたアユの質も大丈夫そうです。これまでに述べたようなきれいな水のおかげで、水遊びも安全ですね。